「…………V・D?」 刹那はカレンダーを見て首を傾げた。 この前家の改装を業者に依託した時、サービスです。と言って貰ったカレンダー。 刹那はそれを冷蔵庫に貼り、毎日のメニューを書き込んでいた。 料理歴2週間の刹那にとって、栄養バランスの良い献立を考えるのは難しく、そしてとてもやりがいのある作業。 カレンダー自体はちゃちな粗品ではあったが、メニューを重複させない為にはなかなか重宝していた。 ――2月13日―― ロックオンを救出して地上に降りてから、ちょうど40日が経っていた。 最近ではだいぶ胃が慣れてきたのか、ロックオンはあっさりしたもの以外もよく食べてくれる。 今晩作ったポテトグラタンを書き込もうとした刹那は、明日の欄を見て不可解なピンク色の文字に気が付いた。 「ブイ、ディー……、って何だ……?」 祝日なら赤い文字で印刷されているはずだ。 それに、2月14日と言っても1879年に電話を発明したグラハム・ベルが特許を取ったことくらいしか思いあたらない。 「V・D……。家庭内…、」 いや、あれはDVだ、と首を振る。 ピンク色の2つのアルファベット。 普段なら無視するのだろうが、今日は妙に気になる。 「………ブイディー、ブイディー、ブイディー……」 明日の朝食用に米を研ぎながら、呟いてみる。 「……何処かで見た…気がする…。」 しかも、ごく最近。 「…………………あっ!」 考えこんでいた為、米粒がパラパラと指の間から流れてしまった。 あわてて釜の中に戻し、白く濁った水を綺麗に洗い流す。 ぼーっとしている暇はない。 ロックオンの食後の治療が終わるまでに、寝る支度をしなければ。 バタバタと台所を後にする頃には、謎の二文字のことはすっかり忘れてしまっていた。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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