次の日。 刹那はいつものようにスーパーマーケットに着くと、野菜コーナーに直進する。 じゃがいもを一袋カートに乗せると、次は卵、牛乳、肉、魚介と、順番にまわって新鮮な食材を選んでいく。 そう言えば、小麦粉が少なくなっていた。 昨夜、グラタンに使うホワイトソースがうまく出来なくて、何度も作り直してしまったのだった。 小麦粉の袋を手に取り、産地をチェックしようとした時、 「あ。……………これ…。」 袋の裏面に『V・Dのためのカンタンレシピ』が印刷されている。 ふと見回すと、店内のいたるところに『St.Valentine's Day』と描かれた広告がある。 略すと、『V・D』。 「……そうか、2月14日がバレンタインデーなのか。」 そう言えば最近スーパーマーケットでよく目にしていた気がする。 ただ、いつもメニューに必要な材料を頭の中で反復しながら買い物をするせいで、広告や看板は全く気にも留めなかったのだが。 「……俺の悪い癖、か…。」 周囲が見えない、空気が読めない。 以前はスメラギやロックオンからよく注意されたものだ。 武力介入が始まる前に一度、ロックオンとチョコチップのスコーンを作ったことがあった。 全く役にたてなくて、結局ロックオンの足手まといにしかならなかった記憶があるが。 「……スコーンの…作り方……、覚えていない……。」 時間があれば作り方を調べて練習が出来るのだろうが、あいにく今日がバレンタインデー当日。 どうにかならないものか……。 手に持った小麦粉の袋を見下ろす。 裏面に印刷されているのは、チョコチップクッキーとブラウニーのレシピ。 クッキーのほうは生地を冷蔵庫で2時間寝かせなければならないようだが、ブラウニーは全所要時間60分、とある。 工程も単純そうだし、なかなか美味しそうだ。 「……これなら俺にも……。」 刹那は材料を揃えるためにレシピを注意深く読み始めた。 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
w友達に教えるw [編集] 無料ホームページ作成は@peps! |