ロックオンは夜カプセルで寝るのを嫌った。
キングサイズのベッドは彼のお気に入りだ。
そして、必ず刹那を抱きしめて眠る。




毎晩、ロックオンは刹那を抱きしめるとすぐに眠りにつく。

まだ体力が回復していないせいか、ロックオンの眠りは深い。
時々、また目覚めなくなるのではないか、と不安になってしまう。










「……刹那、好きだよ。」

「……………ん。」

「世界中の誰よりも、刹那のことが好きだ。」

「……わかってる……。」

「おれには、せつなだけがいれば、い………」

「……………ロックオン…?」



ささやいていた睦言が途切れたかと思うと、スーーッとロックオンは眠りについていた。

今日はいつにも増してリハビリを頑張っていたようだから、かなり疲れているのだろう。

ぐっすりと眠る彼の顔は、作り物のように綺麗だ。
綺麗過ぎて逆に怖い。


ロックオンの右腕が自分の身体をがっちりホールドしている。
パジャマ越しに背中に伝わってくる彼の体温。

もっと確かな温かさを求めて、刹那はロックオンに寄り添った。

バスローブからはだけた胸板に顔を寄せる。
左右の胸筋の間、骨のくぼみのちょうど心臓より少し上のあたりに、額をこすりつける。



「……ロック…、」


クンクンと鼻もこすりつけると、わずかに香る彼の匂い。

とたんに刹那の若い身体は熱くなっていく。



「…あ……、ロック…。」


彼が、欲しい。

こんなに近くにいるのに、いや、近くにいるからこそ、もっともっと欲しい……。







性行為と呼べるようなことは、トレミーにいた頃に数回したきりだった。

しかも、最後まで出来たのはたったの一度きり。

あれからもう半年以上経つと言うのに、刹那はその時の快感を忘れる事ができずに居た。

ロックオンが丹念にほぐしてくれるその愛撫が、切なくなるくらい気持ち良くて。

痛みが無いわけではなかったが、それでも最高にヨくて、幸せだった。








胸いっぱいに彼の匂いを吸い込む。

自分が、ロックオンの成分で満たされていくのが分かる。


「…ロック…。」


さらに距離を縮めたくて、刹那はよりいっそう顔を彼の胸に擦りつけた。

スー、と静かな寝息をたてるロックオンは、全く起きる気配がない。

それが殊更悔しくて、もどかしくて。

刹那は、バスローブからチラリと見える彼の乳首に吸い付いた。



――チュ…、チュパ、チュパ……



……いくら恋人とはいえ、男が男の、しかも体格の断然大きい男の乳首を吸うなんて。
なんて滑稽なことだろう……。

頭のすみでそんなことを考えながら、それでもこの衝動は止まらなくて。

刹那は無我夢中でロックオンの乳首を吸い続けた。







自分の唾液でテラテラと輝く彼の乳首。
ひどく淫乱なその光景に、半ば満足して目を細める。

熱が下半身に集まり、ゾクゾクと背中を駆け抜けて頭のてっぺんへ押し寄せた。




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