ハァ、と熱い息を吐く。 ぐっすりと眠っている大人に欲情してしまった子供。 若い熱をもて余した刹那は、無我夢中で彼の肌に吸い付いた。 透き通って見えるほど白いロックオンの首筋。 チュウゥッと力一杯吸いあげると、プツ、と赤い華が咲いた。 「……ロックオン……。」 気をよくした刹那は、さらにむしゃぶりついた。 チュパチュパと音をたてて乳飲み子のように吸いあげていく。 「……ロックぅ………。」 彼が欲しい。 すべてが欲しい。 こんなに近くに居るのに、いつも抱き合って寝ているのに、彼が手を出してこないことが、たまらなくもどかしかった。 自分が彼に求められないことが、とても悲しかった。 しばらくすると、彼の白磁の肌は、無数の花模様でいっぱいになった。 それでもなお、彼は起きない。 ピクリとも動かない。 たまらなくやるせなさが募り、刹那は歯を噛みしめた。 「……なんで起きないんだ……。」 求めているのは俺だけ。 欲情しているのも、やっぱり俺だけ。 やるせなくて、ひどく情けなくて。 込み上げてきた虚しさを振り切ろうとして、刹那は鬱血痕だらけの首筋に歯をたてた。 「起きないんなら、俺があんたを食べちまうぞ。」 前歯をそっと押しあてると、きめ細かい彼の肌に歯形がくっきりと付いた。 しかし、やはり反応はない。 悔しいので、今度は少しだけ強く、上下の前歯で白い肩に噛みついた。 皮膚を あむ、と軽く食わえて、引っ張ってみる。 するとその時、 「……ん……………。」 ロックオンが小さく唸って、刹那の背中にまわったままだった長い腕がビクッと動いた。 ハッと刹那は目を見開く。 「…俺は…、何を………。」 眼下に広がる無数の鬱血痕。 自分の唾液でベトベトになった彼の胸。 一気に熱が冷えて、冷静さが戻ってくる。 「っっ……………!!」 刹那はあわてて彼の腕をほどいてベッドから抜け出る。 洗面所へ駆け込んでタオルを濡らし、それをきつく絞って寝室へ戻った。 [←前] <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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