南関東の温暖な気候は、都内の中堅層にちょっとした人気がある。 都内と比べると、土地の価格がはるかに低く、都内からも近い。 空気や水が綺麗で、緑が多い。 ゴルフ場も多く、九十九里浜ではサーフィンも楽しめる。 住みやすいため、休日用の別荘や、退職後に移転してきた家が数多く存在した。 俺が格安で購入した家も別荘用として10年程前に建てられたものだった。 ひと昔前に流行した丸太造り風の一軒家。 森林に囲まれた閑静な住宅街の片隅に建っている。 ちゃんと鉄筋で耐震構造だ。 床暖房もついている。 ロックオンが落ち着いて治療できる環境を早く作りたい……。 俺は、地元の商店で必要なものを揃えた。 まず、自動車。 さすがにエクシアでスーパーには行けないから。 偽造したIDで中古車を購入した。 車内が広々として、天井が高いヤツだ。 それから、ベッド。 新しい家には、最低限の家電は揃っていて、シングルベッドも一台あったが、ロックオンがゆったりと横になれるサイズが欲しい。 マットレスがふかふかの高価なベッドセットを購入した。 どでかいキングサイズだ。 ベッドカバーやシーツは、彼の好きな緑色。 他にも、カーテンやテーブルクロスなどもグリーン系で統一した。 「あんた好みの家だろ?」 いまだ、カプセルの中で眠る青年に問いかける。 「もう、準備は出来たぞ。」 カーテンが風になびいた。 「次は、あんたが目覚める番だ。」 <<重要なお知らせ>>@peps!・Chip!!をご利用頂き、ありがとうございます。
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