管理人の小説

【お正月用:To Heart 2パロディ】
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「ったく、遅いわね。雄二もタカ坊も何やってんのかしら」
 環とこのみは既に二十分もの間、鳥居の下で立っていた。
「このみ、先に入っちゃう?」
「ううん大丈夫。タカくんたちを待ってるよ、タマお姉ちゃん」
 二人とも晴れやかな着物姿だ。環は桃色、このみは赤(もちろん環が推薦)。
「そっか。でも、せめて時間潰しに何か食べましょ」
「うん♪…あれ?ねえ、あそこにいるの、珊瑚ちゃんたちじゃないかな?」
 このみの指差した先には、お団子頭の二人組と特徴的な耳飾りの人がいた。
「…?あ、瑠璃ちゃん、このみとタマ姉や。おーい、こっちー♪」
 珊瑚が手を振る。このみと環は近くまで行って、互いに新年の挨拶を交わした。
「三人とも、あけましておめでとう。イルファさん、他の二人は一緒じゃないんですか?」
「ああ…ミルファたち、ですか。実は」
 …時刻は戻って、年末の大掃除…
「あかん!大掃除すっかり忘れてたわ―!終わらへん!!イルファ、ミルファ、シルファ!全速力で掃除や―!!」
「「「は、はいっ!」」」
 瑠璃の大声であたふたし始める三人。
「瑠璃ちゃ―ん。これとこれ、どっちも捨てたないんやけど、どーしたらええかな?」
 珊瑚は電子部品の山を目の前にして、窓拭き中の瑠璃に話し掛ける。
「さんちゃん!はよせんとホンマに終わらへんねん!そんなんさっさと決めてーな!」
「あわてなーい、あわてなーい。一休み一休み…おやすみー…」
 そのまま床に寝転がってしまう。
「…あかん。さんちゃんは戦力にならん」
「もう私たちが頑張るしかないようです!」
 イルファは本の整理中だ。
「えーい、もうどうにでもなれ―!」


 …回想は終わり、再び元旦の神社。
「…そんなわけで、無理が祟って二人ともオーバーヒートしてしまって…」
「来られなかったわけね」
 あらあら、と環は肩をすくめた。
「いっちゃんはウチの手伝いしとったから負担は小さかったんやけどなー」
 珊瑚は足手まといだったことをまったく気にしてない様子。
「せやから、後でもっかいみっちゃんたちと初詣来るんよ」
「そう。……ああもう、タカ坊たちはまだかしら?」
「貴明もここに来るん?」
 瑠璃はこのみに聞く。
「うん。ユウくんもね」
「ほな、みんなでお参りしよ―♪ウチらも貴明待つ―♪」
「さんちゃん、あかんて。ミルファもシルファもウチらの帰り待っとるで」
「えー、つまらんな―。なあ、いっちゃんはええやろ?」
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