佐藤喜久雄（さとうきくお 1917年10月19日生）［プロ野球選手］
東京都出身。慶應義塾商工学校（現・慶應義塾高等学校）を経て、川崎コロムビアでは強肩快足の左翼手として名を馳せた。1936年に東京セネタースの結成に参加。左翼手を務め、打順は五番から七番を打つ主軸打者としてプレーしていた。しかし、7月18日に行われた連盟結成記念全日本野球選手権（1936年夏季）名古屋大会・準優勝戦（大阪タイガース戦・山本球場）の最中（1打数1三振1失策を記録）に日射病で倒れ、肺炎と脳病を併発。11日後の7月29日に、満18歳の若さで亡くなった。日本プロ野球（職業野球）発足後、公式戦出場した選手の初の死亡者となってしまった。
同大会では日射病で倒れる選手が続出し、松木謙治郎は自著の中で「私は過去ユニフォーム生活は30年以上になるが、この大会程暑さの酷かったことは経験がない。多くの選手は日射病のためか、ガタガタふるえて鳥肌が立つ状態だった。」「名古屋軍の岩田内野手（早大出）など、この期間中日射病に倒れ、病院にかつぎ込まれるほどの猛暑だった。」と記している程だった。そのような酷暑の中で、佐藤も日射病の犠牲となった。
日本プロ野球界初の永久欠番は、黒澤俊夫の4と沢村栄治の14（共に巨人在籍だった。1947年7月9日制定）であるが、佐藤の背番号16は、その後1943年まで続く東京セネタース、翼軍、大洋軍、西鉄軍の系譜の中で、誰も使用しておらず、幻の日本プロ野球初の永久欠番と呼ばれることもある。
1936年7月29日死去(享年18)
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